このページでは、チャイニーズポーカーについて解説しています。
チャイニーズポーカーとは
チャイニーズポーカーとは、「十三張(シーサンチャン:13枚の意味)」という名称で古くから中華圏で楽しまれてきたポーカーの一種です。1995年および1996年のWSOPでイベントが開催されたこともありますが、1996年以降はイベントに組み込まれていません。
テキサスホールデムやオマハに比べると運の要素が大きく、競技ポーカーというよりもレクリエーション的に楽しまれています。多くのポーカーサイトでは、オープンフェイスチャイニーズポーカーのキャッシュゲームが提供されています。
日本でも通称「チャイポ」と呼ばれ、アプリなどでプレイする人が徐々に増えています。
チャイニーズポーカーのルール
チャイニーズポーカーのルールは、次の通りです。
- 各プレーヤーが賭け金を置く
- 各プレーヤーに13枚のカードが配られる
- 各プレーヤーはカードを3つのハンドに分ける(5枚のカード2組、3枚のカード1組)
- 最も弱い3枚のカードのハンドを前列、その次に弱い5枚のカードのハンドを中列、最も強い5枚のカードのハンドを後列の順に置く
- 全プレーヤーがカードを表向きにする
- 勝負が決まる
チャイニーズポーカーは、ハンドに応じた点数をやり取りして勝敗を決めるため、点数のレート(例:1点=$1)があります。基本ゲームは52枚のカードを使用しますが、ジョーカー(他のどのカードにも置き換えられる)を加えてプレイすることもできます。
各ハンドの勝利ごとにポイントを獲得し、獲得ポイント総数により勝負が決まります。3人以上でプレイする場合、ハンドを競う相手は左隣りのプレイヤーです。
BTN(ボタン)、UTG(アンダーザガン)、MP(ミドルポジション)のポジションとなり、UTGはMPのハンドと点数を競い、MPはBTNのハンドと、BTNはUTGのハンドと点数を競います。
チャイニーズポーカー ゲームの流れ
チャイニーズポーカー ゲームは以下のように進行します。
賭け金を置く
カードが配られる前にプレーヤーは賭け金を置きます。
カードが配られる
各プレーヤーに13枚のカードが裏向きに配られます。
ハンドを配置する
プレーヤーは最も高いポイントを獲得できるように3つのハンドを作り、前方・中央・後方に配置する
ショーダウン
プレーヤーは全ての手札を公開します。各ハンドの勝負ごとにポイントを獲得し、ポイント総数によって勝負が決まります。
チャイニーズポーカーのハンドの配置
チャイニーズポーカーの役の強さは、テキサスホールデムと同様です。上からフロント(トップ)、ミドル、バック(ボトム)ハンドの3段に分け、裏向きに並べます。
- 3枚で構成する「フロント(またはトップ)」ハンド
- 5枚で構成する「ミドル」ハンド
- 5枚で構成する「バック(またはボトム)」ハンド
この時、フロントハンドは最低ランク(役)のハンド、バックハンドは最高ランクのハンド、ミドルはその中間ランクの役で並べなければなりません。
13枚のカードをセッティングする際、役の強さは「 フロント < ミドル < バック」がルールですが、役の強さ順に並べられていない場合は「バースト(ファウル)」となり、全てのハンドが負けとなることに注意しましょう。
例えば、ミドルとバックは同じ役でも構いませんが、バックの方が高いランクのカードで構成されていなければなりません。
上の画像のように、ミドルとバックが両方フラッシュでも、ミドルがA9ハイフラッシュ、バックがAJハイフラッシュであればOKです。また、フロントハンドの3枚にストレートとフラッシュはありません。
全てのプレイヤーがハンドをセッティングしたら、ハンドを公開し、フロント、ミドル、バックハンド各々で勝敗を見ます。各ハンドに勝てば1点獲得となり、「ロイヤリティ」点数および「スクープ」点数が適用される場合は、これらの追加点数を加えます。
スクープ:3つのハンド全てに勝利した場合に受け取る+3点の追加ボーナス。各ハンドで勝った点数1点×3+3点で合計6点獲得。
ロイヤリティ:3つの各ハンドは、一定ランク以上の役を作ると追加点数を加算。(点数の詳細は次の「点数表」項目を参照)
合計ポイントが高い方のプレイヤーが勝利となり、低い方のプレイヤーのポイントを差し引いた後の差異を獲得します。例えば、プレイヤーAが2ハンド勝って14点を獲得し、プレイヤーBが1ハンド勝って7点獲得した場合、14-7=7 となり、プレイヤーBがAに7点分のチップ(1点$1なら$7)を支払います。
なお、オンラインポーカーでは、勝者が受け取る点数(チップ)から数パーセントのレーキが徴収されます。
チャイニーズポーカーの点数表
チャイニーズポーカーの点数表は以下の通りです。
フロント(トップ)ハンドによるロイヤリティ点数表
役 | 点数 | 役 | 点数 |
---|---|---|---|
66 | 1 | 444 | 12 |
77 | 2 | 555 | 13 |
88 | 3 | 666 | 14 |
99 | 4 | 777 | 15 |
TT | 5 | 888 | 16 |
JJ | 6 | 999 | 17 |
7 | TTT | 18 | |
KK | 8 | JJJ | 19 |
AA | 9 | QQQ | 20 |
222 | 10 | KKK | 21 |
333 | 11 | AAA | 22 |
ミドルおよびバック(ボトム)のロイヤリティ点数表
役 | ミドル 点数 | バック 点数 |
---|---|---|
ロイヤルフラッシュ | 50 | 25 |
ストレートフラッシュ | 30 | 15 |
4 オブ ア カインド | 20 | 10 |
フルハウス | 12 | 6 |
フラッシュ | 8 | 4 |
ストレート | 4 | 2 |
3 オブ ア カインド | 2 | ー |
チャイニーズポーカーの点数計算
チャイニーズポーカーの点数計算は、次のようになります。
合計ポイント=勝利ハンドの勝利ポイント+勝利ハンドのロイヤリティ+スクープ(適用される場合)
チャイニーズポーカーは、各ハンドで勝つよりも、強い役を作ることで高いロイヤリティを獲得した方が稼げるポーカーとなっています。
点数計算具体例:
プレイヤーAのポイント:21点
- トップ:KKペア 8点
- ミドル:フラッシュ 8点 + 勝利ポイント 1点
- ボトム:フラッシュ 4点
プレイヤーBのポイント:17点
- トップ:AAペア 9点 + 勝利ポイント 1点
- ミドル:ツーペア
- ボトム:フルハウス 6点 + 勝利ポイント 1点
上記の例では、プレイヤーBはトップとボトムハンドの2ハンドで勝利していますが、1ハンド勝利のプレイヤーAに負けています。
チャイニーズポーカーの種類
チャイニーズポーカーの主な種類には、以下が含まれます。
オープンフェイスチャイニーズポーカー
オープンフェイスチャイニーズポーカー(OFC)は、最も主流のチャイニーズポーカーゲームです。このゲーム形式では、5枚の手札で開始し、その後、1枚ずつ順に受け取ります。
最初に全ての手札が配られず、順にカードが公開されていく形式のため、標準のチャイニーズポーカーよりも予測が難しくなります。
オープンフェイスチャイニーズポーカーターボ
オープンフェイスチャイニーズポーカーターボは、通常のOFCの高速版です。基本ルールはオープンフェイスチャイニーズポーカーと同様ですが、最初の5枚のカードが配れた後、4枚ずつカードを受け取る形式です。
パイナップル オープンフェイスチャイニーズポーカー
パイナップルポーカー オープンフェイスチャイニーズポーカーは、OFCの派生種で、よりスピード感のあるゲームスタイルです。基本ルールはOFCと同様ですが、パイナップルポーカーでは配られるカードの枚数が多く、ディスカード(捨てカード)が用いられます。
5枚の手札で開始し、順に配られる3枚のカードのうち2枚を配置し、1枚を裏向きに捨てます。合計17枚のカードが配られ、そのうち13枚を使う(4枚は捨てカード)ため、OFCより強い役が作りやすくなります。
捨てられたカードはデッキに戻らないため、ゲームプレイ戦略にも奥行きが出ます。
オープンフェイスチャイニーズポーカーのルール
オープンフェイスチャイニーズポーカー(OFC)のルールは、基本のチャイニーズポーカーと同様です。ただし、最初に5枚のカードが配られた後、1枚ずつカードが配られ、表向きにセッティングしていきます。
カードはUTGから配られ、最初にセッティングしなければなりません。
なお、一旦セットしたカードを動かすことはできません。そのため、最初の5枚の段階でフロント、ミドル、バックでどんな役を作るかを考えなければなりません。
その後、各プレイヤーにカードが1枚ずつ配られ、その都度カードを表向きにセッティングしていき、13枚目まで繰り返します。
オープンフェイスチャイニーズポーカーでも、役の強さは「 フロント < ミドル < バック」でなければならないため、このルールが破られるとバーストとなり、失格となります。
相手のハンドも公開されているため、役を構成していく上で残りのカードの可能性を考えながらセッティングするのがコツです。
例えば、相手と同じスートのフラッシュを狙うのは可能性が低くなり、既に相手が持っているカードを含んだフルハウスなどは完成の確率が低くなります。
また、フロント(トップ)ハンドで QQ 以上の役が完成した場合、次のハンドで「ファンタジーランド」モードが適用されます。
ファンタジーランド:一度に14~17枚のカードが裏向きに配られます。カードの枚数は、前ラウンドのフロント(トップ)ハンドの役またはハウスルールによって異なります。その中から13枚を使って各ハンドにセッティングしていき、相手が13枚のカードをセッティングし終わったらカードを公開します。
リファンタジー:ファンタジーモードでプレイ中に、フロントハンドがすべて同じカード(3カード)になるか、バックハンドがフォーオブアカインド(4カード)以上の役を完成させると、ファンタジーモードが継続します。※ハウスルールによってルールの違いあり
ファンタジーの際に配られるカード枚数は、ハウスによって異なる場合がありますが、最も一般的な枚数は以下のとおりです。
フロントの役 | ファンタジーでのカード枚数 |
---|---|
Qのワンペア | 14枚 |
Kのワンペア | 15枚 |
Aのワンペア | 16枚 |
スリーカード | 17枚 |
この他にも、オープンフェイス・チャイニーズポーカー ターボ(カードが5枚・4枚・4枚で配られる)や、2枚のジョーカーが含まれるOFCもあります。
チャイニーズポーカーのコツ・プレイ戦略
チャイニーズポーカーのコツ・プレイ戦略として、以下にいくつかポイントをまとめています。
1.フロントハンドで高得点を狙う
チャイニーズポーカーは、フロンドハンド役の点数が高いため、フロントハンドにフォーカスして役を作りましょう。フロントハンド JJ の6点を稼ぐには、ミドルではストレート、ボトムではフルハウスを完成させなければなりません。
そのため、フロントハンドで高得点を得るようにカードをセッティングするのがコツです。ただし、フロントでスリーカードを作ってしまうと、ミドルは最低でもストレート、バックは最低でもフラッシュ役である必要があります。
役の強さ順のルールが満たされなければバーストとなり、負けとなることに注意してください。
2.ファンタジーを狙う
オープンフェイスチャイニーズポーカーでは、フロントハンドがQQ以上であれば、高得点なうえ、ファンタジーという特典が得られます。ファンタジーでは、カードが一度に配られてセッティング出来るので、バーストする心配がなく、高得点を狙いやすくなります。
出来る限り、ファンタジーのアドバンテージを活用してプレイできるカード配置を心がけましょう。
3.バーストを回避
オープンフェイスチャイニーズポーカーではカードが少しづつ配られるため、狙った役が完成せずにバーストすることも。バーストすると、3つのハンドの中に良いハンドがあっても、失格となり負けとなります。ガットショットといったストレートドローは、完成する確率が低いハンドです。
ストレートが完成しなかったがためにバーストし、他の良いハンドも負けとなる、といった事態は避けたいもの。役の強さと完成する確率をしっかり考え、バーストしないカードの配置を心がけましょう。
4.相手のカードに注目
オープンフェイスチャイニーズポーカーでは、相手が配置したカードも見えます。そのため、あなたが狙う役に必要なアウツを相手が持っていないかも確認しましょう。
また、先にカードが配られるプレイヤーは先にカードを配置するため、後で配置できるプレイヤーの方が相手のカード配置を確認できるため、やや有利にプレイできます。
5.フロント:QQ以上/ミドル・バック:ツーペアが基本
フロントハンドでQQ(7点)以上を作る場合、チャイニーズポーカーのルール上、ミドルとバックにはQQペア以上の役を作る必要があります。そこで、基本となるのはフロントハンドにハイペア、ミドルハンドにツーペア、バックハンドにミドルより強いツーペアという戦略です。
以下の形を意識して作るようにしましょう。
- フロント:AA5
- ミドル:44339
- バック:QQ77K
バックはミドルハンドより強い役でなければならないので、低いランクのカードを中段に、高いランクのカードをバックにセッティングするのがコツです。