このページでは、ファイブカードポーカーについて解説しています。ファイブカード ドローをプレイしたい方は、下記を参照して下さい。
ファイブカードポーカーとは
ファイブカードポーカーは、ファイブカードドローとも呼ばれ、ポーカーゲームの中でも最も古く、覚えやすいものです。
手札から不必要なカードを捨て、新しいカードをドローする(引く)ことから、ドローポーカーのカテゴリーに入ります。
テキサスホールデムが主流となる前は、このファイブカードポーカーが主にプレイされていました。
日本でも、一昔前にトランプでポーカーゲームとして遊ばれていたのは、ファイブカードポーカーです。
クラシックなポーカーバリエーションであるファイブカードポーカーは、現在でも一部のオンラインポーカーやカジノで楽しめます。
オンラインカジノでも、テーブルゲームやビデオポーカーでファイブカードポーカーが採用されています。
ファイブカードドローの歴史
ファイブカードドローの歴史の初期は、明確ではありません。
19世紀後半のミシシッピ州にまで遡る説もあれば、1800年代半ばのアメリカ西部時代にまで遡る説も。
しかし、1870年代から1880年代になると、「ワイルド・ウェスト」と呼ばれる米国の地域で本格的に普及し、ポーカーの定番としてファイブカードポーカーがプレイされるようになりました。
一昔前までは、ポーカーといえば、ファイブカードポーカーを指すほど、ファイブカードドローはポーカーの歴史と切り離せません。
ファイブカードポーカーのルール
ファイブカードポーカーのルールは、次の通りです。
- 各プレーヤーに5枚のカードが配られる
- 最初の賭けラウンド
- 任意でカードを交換
- 2回目の賭けラウンド
- 勝負が決まる
ファイブカードポーカーは、2~7人のテーブルでプレイします。
5枚のカードの手札から好きな枚数を一度だけ交換して役を作ります。
テキサスホールデムやオマハとは異なり、コミュニティカード(プレイヤー全員で使う共通カード)は用いられません。
ファイブカードポーカーのベッティングラウンドは2回あり、カードを交換した後、役の強さを競います。
他のプレイヤー全員がフォールドするか、最終的にショーダウンで最も強い役を持つプレイヤーがポットを獲得します。
なお、ファイブカードポーカーは、ノーリミット、ポットリミット、フィックス(固定)リミットのいずれかでプレイします。
ファイブカードポーカー ゲームの流れ
ファイブカードポーカーのゲーム進行は以下の通りです。
ブラインドを置く
2人のプレイヤーがアンティまたはブラインド(強制ベット)を置くことから始まります。
ファイブカードポーカーのルールでは、カードが配られる前に全員がアンティを置くこともありますが、通常はスモールブラインドとビッグブラインドの2人がブラインドを置きます。
カードが配られる
ブラインドが置かれると、プレイヤー全員に5枚のホールカード(手札)が裏向きで配られます。
これらのカードは公開せず、プレイヤー本人だけが見ることができます。
ファースト ベッティングラウンド
自分の5枚のホールカードを見て、最初のベッティングラウンドが始まります。
手札を交換する前に、プレイを続行するか、フォールドするかを判断しなければなりません。
アクションは、BBから見て左側のプレイヤー(UTG)から時計回りに、以下のいずれかのアクションを選択します。
‐ フォールド:ゲームを降りる
‐ コール:BB額または現在の最大ベット額と同額をベットする
‐ レイズ:現在の最大ベット額よりベット額を増やすアクションは、ゲームに参加するプレイヤー全員が同じベット額になるまで続きます。
ここで、あるプレイヤーがレイズし、残りのプレイヤーが全員フォールドした場合、このプレイヤーはショーダウンに進むことなくポットを獲得できます。
カードをドロー
2人以上のアクティブプレイヤーがいる場合、カードのドロー(カード交換)が行われます。
5枚のカードのうち、1枚から5枚まで、役の構成に不必要と思われるカードを好きな枚数捨て、新しいカードと交換できます。
なお、5枚のカードをどれも交換せず、そのまま保持することも可能です。
カードのいずれも交換しないことを、スタンドパット(スタンディングパット)と飛びます。
セカンド ベッティングラウンド
任意のカードをドローした後、2回目のベッティングラウンドがスタートします。
ボタンから見て時計回りのアクティブプレイヤーから、順に以下のいずれかのアクションを行います。
‐ チェック(誰もベットしていない/皆がチェックで回した場合のみ選択可能)
‐ ベット
‐ コール
‐ レイズアクションは、アクティブプレイヤーたちのベット額が同額になるまで続きます。
ショーダウン
2回目のベッティングラウンド終了後、2人以上のアクティブプレイヤーがいる場合、「ショーダウン」となり手札を公開します。
ショーダウンで最も強い役を持つプレイヤーが、ポットを獲得できます。
なお、ファイブカードポーカーでもスートの優位性はなく、同じ役(キッカーも同じ)の場合のポットは均等に分けられます。
ファイブカードポーカーの役
ファイブカードポーカーの役は、テキサスホールデムと同様です。
以下、ポーカー役を強い順に記載しています。
- ロイヤルフラッシュ(ロイヤルストレートフラッシュ)
- ストレートフラッシュ
- フォー オブ ア カインド(クワッズ/フォーカード)
- フルハウス
- フラッシュ
- ストレート
- スリー オブ ア カインド(スリーカード)
- 2ペア
- 1ペア(ペア)
- ハイカード
ファイブカードポーカーの種類
ファイブカードポーカーには、以下のような種類が含まれます。
エース・トゥ・ファイブ・ローボール
エース・トゥ・ファイブ・ローボールは、弱いハンドを競うファイブカードポーカーのローボールバリエーションです。
そのため、ローボールは役のランク付けにおいて、ファイブカードドローとは真逆の役の強さとなります。
また、ストレートとフラッシュは考慮せず、エースは最もランクの低いカードとして扱われます。
つまり、最も強いハンドは「A-2-3-4-5」となり、「ホイール」と呼ばれています。
重要なのは、5枚のカードの中に高いランクのカードやペアを持たないこと。
例えば、5枚の中に「9」があれば、5枚の中で最も高いカードランクが「8」のハンドに負けてしまいます。
例:「9‐4‐3‐2-A」<「8‐7‐6‐5‐4」
2-7 トリプルドロー
2-7(デュース・トゥ・セブン)トリプルドローは、ローハンド(役の弱いハンド)を競うドローポーカーです。
WSOPでもブレスレットイベントがあり、多くのミックスゲームでその一つに加えられている、人気のポーカーゲームです。
5枚のカードが配られ、ドロー時に1~5枚までカードを捨て、代わりに同じ枚数のカードを受け取ることができます。
または、「スタンドパット」(カードを捨てずにそのまま保持)することも可能です。
2-7トリプルドローでは、ファイブカードドローポーカーと異なり、各プレイヤー(テーブルあたり最大7人)は3回カードを引くことができます。
また、2-7トリプルドローでの役の強さは、他のローボールゲームとは異なることに注意しましょう。
2-7トリプルドローでは、ストレートとフラッシュもローハンドにカウントされ、エースは常にランクの高いカードとみなされます。
したがって、2-7トリプルドローでの最強のハンドは、「7‐5‐4‐3‐2」となります。(※ 6が入るとストレートとなるため)
役の強さを理解するために、2-7トリプルドローでの役の強弱をいくつか例を挙げてご紹介しておきます。
以下の5枚はスートが異なる組み合わせです。
「7‐5‐4‐3‐2」>「7‐6‐4‐3‐2」>「8‐6‐4‐3‐2」>「9‐7‐6‐4‐3」>「10‐6‐5‐4‐3」>「9‐7‐6‐4‐3」>「A – 5‐4‐3‐2」 >「A – 8‐7‐3‐2」>「2 – 2‐5‐4‐3」 ※ なお、2-7トリプルドローにおいて「A」は最もランクが高いカードであるため、「A -5‐4‐3‐2」はストレートとみなされません。 |
プレイの流れは、ファイブカードポーカーと同じです。
ただし、ファイブカードポーカーでのドローは1回のみですが、2-7トリプルドローではドローの機会が3回あり、そのたびにベッティングラウンドが設けられます。
合計3回のドローと4回のベッティングラウンドが終わり、アクティブプレイヤーが2人以上残っている場合はショーダウンが行われ、最も強いハンド(=最も弱い役)を持っているプレイヤーがポットを獲得します。
ビデオポーカー
オンラインカジノやランドカジノでプレイされているビデオポーカーのほとんどは、ファイブカードポーカーです。
ビデオポーカーの平均的なRTP(還元率)は99%前後と高く、カジノでも人気ゲームの一つとなっています。
ビデオポーカーの種類によってはジョーカーが含まれていたり、「2(デュース)」がジョーカーの役目を果たすものなど、いくつかのバリエーションがあります。
その中でも一際人気なのは、「ジャックス・オア・ベター」と呼ばれるビデオポーカーです。
他のプレイヤーやディーラーとの勝負ではないため、役を作ることで配当があります。
なお、配当があるのは「J」以上のワンペア。
プレイ方法は、ベット額を決めて賭けると、5枚のカードが配られます。
5枚のうちからキープしたいカードを「ホールド」し、ディールボタンを押すと残りのカードがドローされます。
ドローは一回のみ、ドローして引いたカードを合わせ、出来た役に応じた倍率で払い戻しがあります。
また、払い戻しのある役ができた場合、引き続き「ダブルアップ」ゲームに挑戦することができます。
ダブルアップゲームは、ランダムに選択されたカードのランクより大きいランクのカードを、4枚の裏向きカードの中から選択する、または裏向きのカードが赤か黒かのスートを予想する、といった内容です。
当たれば払い戻しが倍になり、ダブルアップゲームは任意で好きなだけ続けることができます。
ファイブカードポーカーの戦略
ファイブカードポーカーの戦略として、以下にいくつかポイントをまとめていますので参考にしてみて下さい。
1.ポジションを十分考慮する
ファイブカードポーカーでも、ポジションは重要です。
他のポーカーゲームと同様に、レイトポジションはアーリーポジションより幅広いハンドレンジがプレイでき、よりアグレッシブにプレイすることも可能です。
レイトポジションまたはインポジションにいることで、対戦相手のアクションやベットサイズから、より多くの情報を得ることができます。
相手のベット額やドローの枚数から、それほど良いハンドを持っていないと感じる場合は、レイトポジションなら敢えてスタンドパットし、ブラフが成功する可能性も高いと言えるでしょう。
2.プレイするハンドレンジを絞る
ホールカード(スターティングハンド)の選択は、すべてのポーカーゲームにおいて重要な要素となります。
ファイブカードポーカーをプレイする際も例外ではありません。
良いハンドに発展する望みの少ない5枚のカードをプレイし、それによってチップを無駄にするのは避けたいもの。
ファイブカードポーカーで最初に配られる5枚のカードが良いハンドと言えるのは、少なくともワンペアを含むハンドです。
ワンペア自体はそれほど強いハンドとは言えませんが、スリーオブアカインド(3カード)やフルハウスとなる可能性があります。
ワンペア以外にも、フラッシュドローやストレートドロー(役を完成させるのに4枚揃っており、特定のカードがもう1枚必要なハンド)といったハンドも、役が完成した場合の強さを考えると、狙う価値のあるハンドです。
しかし、ストレートドローでもガットショットや、3枚しか揃っていないドローハンドの場合は、狙うべきではありません。
必要なカード2枚がドローによって引ける確率は、非常に低いことを知っておきましょう。
3.リンプインを控える
どのポジションに関わらず、配られたカードをプレイすると決めたら、オープンレイズすべきです。
通常、リンプインすると、他のプレイヤーもリンプインすることが多くなります。
また、フォールドするつもりだったハンドでも、リンプインならプレイするプレイヤーも増えます。
リンプインで始めた場合、ポットを勝ち取るにはより強いハンドが必要になるため、戦略として使う以外は、リンプインは避けましょう。
たとえ幸運にもツーペアやスリーカードが配られた場合でも、最低でもミンレイズでポットにエントリーしたいものです。
4.捨てるべきカードをよく判断する
ファイブカードポーカーが他のポーカーと異なる点は、カードを捨てるという行為です。
これは、他のポーカールールにはありません。
ファイブカードポーカーの戦略としてプレイ方法が分かれるのは、5枚の中にペアがある場合です。
ペアを残して3枚をドローするか、ペアと残りの3枚にAやKなどの高いランクのカードがある場合、これらをキープして2枚をドローするか、という点。
ポーカーには正しいプレイ方法というのはないものの、この点はプレイヤーによって異なります。
しかし、4枚以上のカードを捨てなければならないハンドの場合は、フォールドするのが賢明です。
5.相手のハンドレンジを読む
ファイブカードポーカーは、ドローするカードの枚数によりハンドレンジが推測しやすいゲームです。
例えば、相手が1枚のカードのみをドローする場合、ストレートドロー、フラッシュドロー、または2ペアが手元にある可能性が高いでしょう。
2枚のカードをドローしている場合は、ワンペアか、スリーオブアカインドの可能性も考えられます。
3枚のカードをドローしている場合は、ワンペアか、それより弱いハンドを持っている可能性が高いと言えます。
ドロー枚数によって相手のハンドを読み、ブラフを上手く使えば相手をフォールドさせることもできるでしょう。