このページでは、ポーカーの確率について詳しく解説しています。ポーカーの役の確率、確率表、確率計算については、以下を参考にして下さい。
ポーカーの確率とは
ポーカーの確率とは、スターティングハンドの2枚のカードの組み合わせによる勝率や役のできる確率、ある状況下で特定のハンドが完成する確率などを示します。
ポーカーハンドの強さは、そのハンドが完成する確率と関係しています。例えば、52枚のカードデッキから5枚のカードを組み合わせる場合、その組み合わせ方は 2,598,960通りあります。
ポーカーゲームでは、様々な確率を数学的に計算できます。また、確率を無視してポーカーを語ることはできません。
確率を理解し、ざっくりと覚えておくことで、より戦略的なゲームプレイが可能になるでしょう。
ポーカーの確率の表記
ポーカーの確率は、しばしばパーセンテージと比の値で示されます。
確率表記の具体例
ツーペアの確率:0.04753902
52枚のデッキからランダムに5枚のカードを引くと、4.75%の確率でツーペアが完成します。
比の値に計算すると、以下のようになります。
100 ÷ 4.75 = 21.05 →1:21
つまり、5枚のカードでツーペアが完成する確率は、21回につき1回(1:21)です。
21回試した場合、ツーペアができる確率は1回のみで、残りの20回はできないということです。
ポーカーの役の確率
以下、ポーカーの役の確率を表で記しています。
ポーカー 確率表1:フロップで役ができる確率
ポーカーにおける各ハンド(役)の組み合わせの数と、その組み合わせが5枚のカードで発生する確率表は以下の通りです。
フロップで完成する役 | 組み合わせ数 | オッズ | 発生確率 |
---|---|---|---|
ロイヤルフラッシュ | 4 | 1:649,740 | 0.000154% |
ストレートフラッシュ | 36 | 1:72,193 | 0.00139% |
フォーオブアカインド | 624 | 1:4,165 | 0.024% |
フルハウス | 3,744 | 1:694 | 0.14% |
フラッシュ | 5,108 | 1:509 | 0.19% |
ストレート | 10,200 | 1:255 | 0.39% |
スリーオブアカインド | 54,912 | 1:47 | 2.11% |
ツーペア | 123,552 | 1:21 | 4.75% |
ワンペア | 1,098,240 | 1:3 | 32.43% |
ハイカード | 1,302,540 | 1:2 | 50.11% |
テキサスホールデムではターンでさらに1枚、リバーでもう1枚の計5枚のコミュニティカードが使えるため、ストリートが進むにつれ役が完成する確率が上がります。
ポーカー 確率表2:リバーまでに役ができる確率
テキサスホールデムでリバーまでの各ハンド(役)の組み合わせ数と、その組み合わせが7枚のカードで発生する確率表は以下となります。
リバーまでに完成する役 | 組み合わせ数 | オッズ | 発生確率 |
---|---|---|---|
ロイヤルフラッシュ | 4,324 | 1:30,939 | 0.00323% |
ストレートフラッシュ | 37,260 | 1:3,590 | 0.0278% |
フォーオブアカインド | 224,848 | 1:594 | 0.168% |
フルハウス | 3,473,184 | 1:37.5 | 2.60% |
フラッシュ | 4,047,644 | 1:33.05 | 3.025% |
ストレート | 6,180,020 | 1:21.65 | 4.62% |
スリーオブアカインド | 6,461,620 | 1:20.7 | 4.83% |
ツーペア | 31,433,400 | 1:4.26 | 23.50% |
ワンペア | 58,627,800 | 1:2.05 | 48.74% |
ハイカード | 23,294,460 | 1:5.75 | 17.41% |
リバーまで到達した場合、ペアが完成する確率は約2回に1回となり、役のないハイカードよりもツーペアが完成する確率の方が高くなっていることがわかるでしょう。
スターティングハンドの確率表
スターティングハンドの組み合わせの確率は、次の通りです。
スターティングハンドの種類 | 組み合わせ数 | オッズ | 確率 |
---|---|---|---|
AA(特定のポケットペア) | 6 | 1:221 | 0.45% |
ポケットペア | 78 | 1:17 | 5.88% |
KK 以上のポケットペア | 12 | 1:110.5 | 0.9% |
QQ 以上のポケットペア | 18 | 1:73.7 | 1.4% |
JJ 以上のポケットペア | 24 | 1:55.3 | 1.8% |
AKs(特定のスーテッドハンド) | 4 | 1:331.5 | 0.3% |
AKo(特定のオフスートハンド) | 12 | 1:110.5 | 0.9% |
AK(特定のペアではないハンド) | 16 | 1:82.8 | 1.21% |
TT 以上のペアとAK | 46 | 1:28.8 | 3.4% |
AX(特定のカードが含まれるハンド) | 198 | 1:6.7 | 14.93% |
スーテッドハンド | 312 | 1:4.3 | 23.53% |
コネクターハンド | 208 | 1:6.4 | 15.7% |
スーテッドコネクター | 52 | 1:25.5 | 3.92% |
T 以上のスーテッドハンド | 40 | 1:33 | 3.02% |
2枚のスターティングハンドの組み合わせは、合計1,326通りに及びます。上記では、プレイヤーにモチベーションを与える「A」にフォーカスしていますが、「A」も「2」も52枚のカードに含まれる枚数は同じ4枚なので、確率も同じです。
AKs の確率も 56s の確率も同じ0.3%であり、2枚のスターティングハンドにAが含まれる確率も、Kが含まれる確率も同じ14.93%となります。
どのカードも確率は同じながらカードの強さは異なるため、同じワンペア対決やハイカード対決となっても、カードランクが高いほどゲームで優位性があります。
これがプレイするスターティングハンドを絞るべき理由です。
ポケットペアの確率
ポケットペアの強さは、そのランクによって異なります。プリプロップではすでに役のある状態なので優位ですが、プロップからストリートが進むにつれ、低いランクのポケットペアは徐々に優位性を失っていきます。
ポーカーでポケットペアを持った時には、相手がより高いポケットペア、あるいはオーバーカード(あなたが持っているポケットペアより高いランク)を2枚持っている確率はどのくらいかを知っておく必要があります。
1.相手が自分より高いポケットペアとなる確率
対戦相手のいずれかがオーバーペアとなる確率は、次のようになります(ヘッズアップ、6人プレイ、フルリングのゲーム)。
手札 | 相手がオーバーペアとなる確率(ヘッズアップ) | 相手がオーバーペアとなる確率(6Max) | 相手がオーバーペアとなる確率(フルリング) |
---|---|---|---|
KK | 0.5% | 2.5% | 4% |
1% | 4.9% | 7.6% | |
JJ | 1.5% | 7.1% | 11.2% |
TT | 1.9% | 9.4% | 14.7% |
99 | 2.4% | 11.7% | 18.3% |
88 | 2.9% | 13.9% | 21.4% |
77 | 3.4% | 16.1% | 24.6% |
66 | 3.9% | 18% | 27.4% |
55 | 4.4% | 20% | 30.3% |
44 | 4.9% | 22.4% | 33.1% |
33 | 5.4% | 24.1% | 35.8% |
22 | 5.9% | 26% | 38.3% |
22~55といったポケットペアでは、フルリングになると相手がより高いポケットペアとなる確率は、30%と高めであることを覚えておきましょう。また、相手がオーバーカードを2枚持っている場合、相手のエクイティが45~50%となることも忘れてはなりません。
2.フロップでポケットペアより高いカードが出る確率
ポケットペアがある際、フロップで1枚以上のオーバーカードが出る確率は以下の通りです。
手札 | フロップで1枚以上のオーバーカード出現確率 |
---|---|
KK | 22.6% |
41.4% | |
JJ | 57% |
TT | 69.5% |
99 | 79.3% |
88 | 86.7% |
77 | 92.1% |
66 | 95.8% |
55 | 98.1% |
44 | 99.4% |
33 | 99.9% |
22 | 100% |
低いランクのポケットペアの場合、プリフロップでのベットにより相手のハンドレンジを予想し、ボードとの絡みがあるかを考えながら、どのようにプレイするかが重要となります。
特定の状況下の確率
以下、特定の状況下で各ハンドが発展する確率について記載しています。
1.フロップでの役の確率
手札ごとのフロップでの役の確率は以下のようになります。
手札 | フロップでの役 | オッズ | 確率 |
---|---|---|---|
ペアでないハンド | ワンペア | 1:3.5 | 29% |
ペアでないハンド | ツーペア | 1:49.5 | 2.02% |
ペアでないハンド | トリップス | 1:73 | 1.35% |
ポケットペア | セット | 1:8.5 | 11.8% |
コネクター | ストレート | 1:77 | 1.3% |
コネクター(54~JT) | ガットショット | 1:6.25 | 16% |
コネクター(54~JT) | オープンエンドストレートドロー | 1:10.4 | 9.6% |
1ギャップコネクター(53~QT) | オープンエンドストレートドロー | 1:13.8 | 7.26% |
2ギャップコネクター(63~Q9) | オープンエンドストレートドロー | 1:22.4 | 4.47% |
スーテッド | フラッシュ | 1:119 | 0.8% |
スーテッド | フラッシュドロー | 1:9 | 10.94% |
スーテッド | ペア以上/フラッシュドロー | 1:2.37 | 41.6% |
スーテッドコネクター(54s~JTs) | ストレートドロー/フラッシュドロー | 1:3.4 | 29.05% |
ペアでないスターティングハンドがフロップでペアとなるのは、29%(3、4回に1回)しかありません。そのため、フロップでペアになるとベットし、役にならなかったハンドはドローハンドでない限りフォールドしてハンドが終了することがほとんど。
Aのペアならバリューベットを行い、中ランクのトップ/ミドルペアなら相手をフォールドさせる額のベットが行われるのが一般的です。テキサスホールデムではフロップでハンドが終了することが多いので、この確率を知るプレイヤーなら、フロップで役が揃ったように見せかけたブラフをよく使います。
また、A(またはKも)を持っていれば、相手もハイカードであることを見越し、Aハイ(またはKハイ)で勝てるとベットをするプレイヤーもいます。ただし、これらの戦略は、対戦相手、ポジション、スタック、テーブルでのこれまでのプレイなど、多くの要素を考慮して行わなければなりません。
相手のベットがこららのうちどれに当てはまるかを見極めるのが、ポーカーの心理ゲーム的な部分です。
2.ターンとリバーでの役の確率
ターンとリバーでの役の完成確率を以下に表記しています。
フロップでのハンド | 役 | ターンでの完成確率 | リバーでの完成確率 |
---|---|---|---|
ハイカード | ペア | 12.8% | 13% |
ワンペア | トリップス | 4.3% | 4.3% |
ツーペア | フルハウス | 8.5% | 8.5% |
インサイドストレートドロー | ストレート | 8.5% | 8.7% |
オープンエンドストレートドロー | ストレート | 17% | 17.4% |
ダブルインサイドストレートドロー | ストレート | 17% | 17.4% |
フラッシュドロー | フラッシュ | 19.1% | 19.6% |
インサイドストレートドロー(ガットショット)は、非常に完成確率の低いハンドです。相手のベット額により、フォールドする準備を整えておくのも手でしょう。
また、フラッシュはストレートよりも完成確率の低い役ですが、フロップでドローハンドになった場合、ストレートドローよりフラッシュドローの方が完成確率が高い点は興味深い点でしょう。
ヘッズアップの確率
以下、ヘッズアップの確率を表しています。
プレイヤー A ハンド | プレイヤー B ハンド | プレイヤー A の勝率 | プレイヤー B の勝率 |
---|---|---|---|
AA | AKo | 93% | 6% |
AA | 87s | 77% | 22% |
KK | 81.7% | 17.83% | |
KK | 77 | 80.3% | 19.35% |
KK | AJo | 71.2% | 28.4% |
KK | AJs | 67.3% | 32.3% |
AKo | 57% | 43% | |
88 | AJo | 55.5% | 44.4% |
88 | AJs | 52.5% | 47.5% |
AKo | QJo | 64.6% | 34.9% |
AKo | JTo | 62.9% | 36.6% |
AKo | 87s | 58.5% | 41% |
AQo | QTo | 72% | 26.5% |
ATo | J9o | 62% | 37.6% |
A7o | QTo | 56% | 43.7% |
ヘッズアップの勝率は、両ハンドが共有するスート、繋がり、カードの近さ、スートなどの要素にも影響されます。ヘッズアップはSTT(シングルテーブルトーナメント)でもMTT(マルチテーブルトーナメント)でも、優勝するには避けて通れない道です。
2人でプレイするヘッズアップと、6人やフルリングでの戦略は異なります。ヘッズアップでは、各ハンドをアグレッシブにプレイし、オールイン宣言も多く発生します。
ヘッズアップの確率に影響する要素
ヘッズアップの確率に影響を及ぼす要素としては、以下が挙げられます。
共有するスート
異なる2つのハンドで同じスーツを持つ場合、スーツが共有されていない場合よりも高いランクのカードはさらに有利になります。その差はそれほど大きいものではありませんが、通常は最大2%のエクイティの差があります。
両ハンドの近接性
ヘッズアップの確率は、カードの近接性によっても影響を受けます。近接性は、常にエクイティが高い方のハンドに有利に働きます。
例えば、KK の勝率は、QQ を相手にするより 77 を相手にする方が低いのです。逆に言えば、KK を相手にするには、QQ よりも 77 の方が勝つ確率が高いということ。
これは、キングがクイーンのストレートの可能性を減らすことにあります。同様に、AKo を相手にするには、JTo や QJo よりも 87s で挑む方が勝利する確率は高いのです。
両ハンドの連結性
両ハンドが連結している場合、エクイティに変化がおきます。例えば、AKo に対して QJo の勝率は 34.9%ですが、JTo だと 36.6%あります。
JハイがQハイより勝率が高いのは、AK がストレートを完成するのに必要なカードを相手が持っていることにあります。QJ もストレートを完成するのに AK がアウツの一部を持っていますが、JT だとコミュニティカードでストレートを完成させるアウツがより多くあるためです。
スーテッド
スターティングハンドのスーテッドは、あらゆる状況においてハンドのエクイティを2~4%増加させます。
ポーカーの確率計算方法
ポーカーの確率計算方法は、通常の確率計算と同様になります。
要は、特定のシナリオやそのシナリオに当てはまるカードまたはカードの組み合わせ(有利な結果)を特定し、それを可能性のあるすべての結果の数、または反対の結果(不利な結果)の数との対比で算出します。
確率の計算例
例えば、フロップでフラッシュドローになったとしましょう。カードデッキ52枚から手札2枚とフロップ3枚を除いた残りの47枚のカードのうち、フラッシュを完成するために必要な同じスートのカードは、デッキに9枚残っています。
9枚のうち、いずれかが出ればフラッシュの完成です。一方、その他の38枚のいずれかが出ればフラッシュは完成しません。
ターンでフラッシュが完成する確率:
比の値計算 47÷9=5.22(1:5.2)
- 5.2回に1回の割合でフラッシュが完成する
- 5.2回に4.2回はフラッシュが完成しない
パーセンテージ計算 100÷5.22=19.15(%)
計算が苦手な方や両ハンドのエクイティ(勝率)を求めるには、ポーカー確率計算機などのツールを使うのも良いでしょう。インターネット上で、無料の確率計算機が利用できます。