このページでは、ポーカー ポジションについて詳細に解説しています。
ポーカーのポジションとは
ポーカーのポジションとは、ポーカーをプレイする際の「アクションの順番」のことを指します。ポーカーでは、スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)と呼ばれる強制ベットがあることがご存じでしょう。
これらブラインドを含めた、プレイヤーが座るシート(位置)にはポジション名称があります。ブラインドはハンドごとに時計回りに移動するので、ポジションもハンドごとに変わります。
ポーカーでポジションが重要な理由
ポーカーにおいてポジションが重要な理由として、後にアクションを行えるほど他のプレイヤーたちの情報が多く得られることが挙げられます。集めた情報は、自分のハンドをプレイするかしないか、また、アクション判断の基準となります。
一方、他のプレイヤーたちより先にアクションを行わなければならない場合、後のプレイヤーによってそのようなアクションが行われるかは見当が付きません。
そのため、ポジションが先行になるほど、必然的にプレイするハンドレンジをより慎重に選ぶ必要があります。また、ポジションはプリフロップとポストフロップとの2つのシナリオがあり、プリフロップでは大きく分けてブラインド、アーリーポジション、ミドルポジション、レイトポジションとがあります。
さらに、それぞれのシート(位置)には名称と略語があるで、覚えておくと良いでしょう。
ポストフロップでは、通常ハンドに参加するプレイヤーが数人となるため、細かなポジション名称は重要ではなくなり、「インポジション」か「アウトオブポジション」かが重要です。
プリフロップでアーリーポジションからプレイすると、ポストフロップではアウトオブポジションになる可能性が高くなります。だからといって、アーリーポジションからプレイしない方が良い、というわけではありません。
ただし、アーリーポジションからうまくプレイするには、相応のスキルを身に着ける必要があります。
ポーカーのポジションの名前
以下の図解は、フルリング(9人テーブル)でのポーカーポジションの名前です。
6人テーブルでは、アーリーポジション(EP)、ミドルポジション(MP)、レイトポジション(LP)から一人ずつ削除していきます。プリフロップではSB、BBが既定のブラインドを置いた後、UTGからアクションが始まります。
ポストプロップでは、SBから時計回りに早いポジションにいるアクティブプレイヤーからアクションしなければなりません。
各ポーカー ポジションの優位性、およびプレイ時に考慮するべきポイントについて以下にまとめています。なお、名称は略語でも頻繁に記載されるので覚えておきましょう。
ブラインド
- スモールブラインド(SB):現在のレベルの最小ベットの半額を強制ベットとして置かなければなりません。
- ビッグブラインド(BB):現在のレベルの最小ベットとなる額を強制ベットとして置かなければなりません。
ブラインドは、どんなハンドでも強制ベットを置く必要があるため、その点では不利です。しかし、強制ベットを払っている分、2BBのレイズであれば広い範囲のハンドでコールすることも多いポジションです。
例えば、低~中ランクのコネクターやスーテッドなどでコールし、それがフロップで吉と出ることもあります。
ブラインドポジションの戦略
レイトポジションからブラインドスチールを狙っていると思われるプレイヤーには、ブラインドディフェンスのためにリレイズすることでフォールドさせることができる場合もあります。
しかし、それは相手のハンドレンジや戦略がある程度読めていることが前提です。弱いハンドで毎回コールしていては、チップを早いペースで失くしていくリスクがあることを忘れないでください。
ブラインドの場合は、コールに必要なベット額とハンドを照らし合わせ、勝率はどのくらいか、コールする価値があるかどうかを見極めましょう。
アーリーポジション(EP)
- アンダーザガン(UTG):プリフロップでは自発的にアクションを行う最初のプレイヤーとなるため、「銃口を向けられている」ようなプレッシャーのあることがポジション名の由来です。
- EP 2:フルリングでのUTGの次のプレイヤーがもう一人のアーリーポジションです。
中ランクのコネクターやスーテッドハンドなどでリンプ(BBと同じ額をベット)すると、後のプレイヤーが何らかのハンドでレイズする可能性を考えましょう。
それでフォールドするくらいなら、最初からフォールドしておく方がチップを無駄にしません。
他のプレイヤーより大きなスタックを持っている場合など、相手が例えAKでもプロップで絡めば大きくレイズして相手をフォールドさせることもできますが、アーリーポジションから中ランクのハンドをプレイするには、十分なスタックが必要です。
アーリーポジションのハンドレンジ例
以下の表は、テキサスホールデムにおいてア-リーポジションからオープンレイズするのに推薦するハンドレンジ例です。
このハンドレンジ例は一般的に推薦される例であり、個々のプレイスタイルやハンドをプレイする自信によって増やす/減らすなどの調整を行ってください。
アーリーポジション戦略
他のプレイヤーのレイズがあると想定して、それでもコールする覚悟のあるハンドをプレイしましょう。また、リンプやミンレイズではなく、2BB以上はレイズしてポットをオープンすることをお勧めします。
プレイするハンドを判断するには、様々なポーカーの確率を知っておくと役立ちます。例えば、66でアーリーポジションからレイズした場合、他のプレイヤーが77以上のオーバーペアを持つ確率はフルリングでは27.4%、6MAXなら18%、ヘッズアップなら3.9%です。
さらに、フロップで6より高いランクのカードが1枚以上現われる確率は、95.8%です。反対に、ポケットペアがフロップでセット(スリーオブアカインド)となる確率は11.8%、ターン、リバーでセットとなるのは4.3%しかありません。
これらの自分のハンドの確率と、相手の推定ハンドの確率を踏まえてプレイするハンドを決めましょう。
ミドルポジション(MP)
- MP 1:アーリーポジションよりは有利ですが、慎重にプレイする必要のあるポジションです。
- ロージャック(LJ)/MP 2:フルリングでは、レイトポジションの手前のミドルポジションをLJ(ロージャック)を呼ぶこともあります。6MAXではLJポジションはありません。
ミドルポジションは、不利なポジションと有利なポジションに挟まれたポジションです。アーリーポジションに比べればハンドのレンジはやや広がるものの、広いハンドをプレイすることは避けましょう。
アーリーポジションがフォールドし、レイトポジションにタイトなプレイヤーばかりという時は強気にプレイすることもできます。
ミドルポジションのハンドレンジ例
以下の表は、テキサスホールデムにおいてミドルポジションからオープンレイズする際に推薦されるハンドレンジ例です。
このハンドレンジ例は一般的な例であり、個々のプレイスタイルやスキルに応じて増やす/減らすなどの調整を行ってください。
ミドルポジション戦略
ゲームに参加する場合は、オープンレイズで参加したいもの。レイズにコールするプレイヤーは、AもしくはK絡みのハンド、ポケットペアであることがほとんどであることから、相手のハンドレンジも読みやすくなります。
しかし、ポストフロップではブラインドがコールしないかぎり、アウトオブポジションになる可能性が高いことも考えておきたい点です。そのため、アウトオブポジションでのプレイスキルが必要です。
また、アーリーポジションからオープンレイズがあった場合は、それに勝てる可能性が十分にあるハンドでコールしましょう。
レイトポジション(LP)
- ハイジャック(HJ):LJの次、ボタンから見て2つ右のポジションです。アグレッシブにプレイすることで、カットオフとボタンの有利なポジションを「ハイジャック」できることがこのポジション名称の由来です。6MAXではMPとなります。
- カットオフ(CO):ボタンの次に有利なポジションです。名称の由来は、ボタンがレイズする前にレイズしてボタンをカットオフ(切り落とす)ことができる、という説と、その昔、ディーラーがカードをシャッフルした後にカードをカットするポジションであったため、という説があります。
- ボタン(BTN):最も情報量が多く得られ、最も優位性のあるポジションです。カジノで親を示すために用いられる、丸いプラスチック製のディスクがボタン名称の由来でしょう。最も多くのハンドレンジをプレイできます。
フルリングポーカーテーブルで優位性のあるレイトポジションは、ハイジャック、カットオフ、ボタンの3シートを指します。アーリーポジションおよびミドルポジションからのアクションを見て行動できるため、よりリスク管理を考慮したアクション、より利益率を高めるアクションが可能です。
一般的にハイジャックのオープニングレンジは約19%、カットオフでは26%程度、ボタンではエニーA(A絡みのハンドからどれでも)を含む、45%~50%近いハンドがプレイできます。
レイトポジションのハンドレンジ例
以下の表は、テキサスホールデムにおいてレイトポジションからオープンレイズが可能なハンドレンジ例です。
個々のプレイスタイルやスキルに応じて、上記のハンドレンジから増やす/減らすなどの調整を行ってください。
レイトポジション戦略
EP、MPがフォールドすればブラインドスチールしやすいポジションであり、自信のないベットに対しては強気でベットして相手をフォールドさせることもできます。
特にボタンは、例え相手にコールされてもポストフロップでインポジションになることが保証されています。そのため、ブラフも成功しやすいポジションです。
とはいえ、タイトな相手からのレイズやコールには注意してください。
ポーカーのインポジションとは
ポストフロップで、最後にアクションするプレイヤーを「インポジション」と呼びます。インポジションでプレイことは、先にアクションを起こさなければならないプレイヤーによるアクション内容やベット額、思考時間などの情報に基づいて意思決定を行えるため、大きな利点があります。
対戦相手の行動により、相手の役の強さをより明確に推測できるのです。実際、先にアクションを行わなければならないプレイヤーの方がチェックを使う頻度は断然多いでしょう。
これは、チェックで回し(戦略のうえでのチェックでない限り)、相手のアクションを見て判断しようという試みです。本来インポジションが持っている優位性を最大限に生かしてプレイすれば、勝ちやすいポジションと言えます。
インポジションとアウトポジションの違い
最後にアクションをする「インポジション」に対し、最初にアクションをするプレイヤーは「アウトオブポジション」となります。アウトオブポジションは相手のアクションから情報を得ることなく、プリフロップでのアクションのみを考慮して行動しなければならないため、いわば目隠し状態で相手のハンドを推測しなければなりません。
よって、インポジションに比べ情報量が少なくプレイ上で不利な立場です。
アウトオブポジション戦略
アウトオブポジションでも、ポーカー上級者なら中ランクのカード以上を上手くプレイすることができます。アウトオブポジションでうまくプレイするには、ゲームを有利に進めるために相手のハンドレンジを読むスキルが求められます。
プリフロップのアクションで相手のハンドレンジをある程度特定し、フロップで相手のハンドが絡んだかどうかを判断し、絡んでなさそうなら先手を打ってベットするといった戦略を取ります。
ここでも確率を知っておくと役に立ちます。ペアでないスターティングハンドがフロップでペアとなる確率は29%であるため、フロップでの大半はハイカードなのです。
そこで、推測した相手のハンドレンジがフロップでペアとなったかを判断し、ハイカードのままと考えるなら自信をもってベットしましょう。
たとえ相手がセカンドペアやボトムペアとなっていても、トップペアを持っているような自信のあるベットでフォールドさせることができる割合は高いと言えます。
例えコールされても、ターンでコンティニュエーションベットをすれば、ハイカードやボトム/ミドルペア/ドローハンドなら高い確率でフォールドします。
ただし、相手をフォールドさせるには、先見性、異なるプレイヤーへの適応力、そして相手のハンドを読む能力が求められます。ナッツでスロープレイをしている相手にトップぺアやブラフで強気にベットしても、当然効き目はありません。
ボードのカードから相手のハンドが発展した可能性がないか、は常に考慮してプレイすべき点です。
インポジション戦略
アウトオブポジションで紹介した戦術は、インポジションでも利用できます。もともとインポジションは優位性を持っていますが、ポーカー上級者の相手はフロップでこちらのハンドがハイカードと推測してベットしている場合、相手もハイカードと予測するならレイズするのが効果的です。
この場合、ハンドのランクが重要になります。Aを持っていれば勝てる可能性は十分にありますが、その次に高いランクのカードも考慮しなければなりません。
また、一般的に読みにくいハンドはリレイズやリリレイズでない限り、ポケットペアでしょう。レイズすれば、相手はこちらのハンドがポケットペアの可能性を考えます。
レイズは上級者ほど使う頻度の高いアクションですが、こちらと相手のスタックの大きさも考えてください。ショートスタックでディープスタックの相手にブラフでレイズしても、コールされるのがオチです。
このように、ポーカーではポジション+そのほかの要素を合わせてプレイする必要があります。
ポーカーのポジションで押さえておくべきポイント
ポーカーにおけるポジションについて、押さえておきたいポイントは以下の通りです。
1.有利なポジション順位を覚える
優位性の高いポジション順位は以下の通りです。
- ボタン(BTN)
- カットオフ(CO)
- ハイジャック(HJ)
- ロージャック(LJ/MP2)
- ミドルポジション(MP1)
- アーリーポジション(EP2)
- アンダーザガン(UTG)
- ビッグブラインド(BB)
- スモールブラインド(SB)
2.人数によってハンドレンジを調整する
テーブルのプレイヤー数が多いほど、ハンドレンジを絞り込む必要があります。特にアーリー/ミドルポジションだと、後に続くプレイヤーがあなたより良いハンドを持つ可能性が高まることを知っておきましょう。
3.ヘッズアップでは広いハンドをアグレッシブにプレイする
ヘッズアップでは、各ハンドでSBかBBかを置くことになります。プレミアムハンドを待っていたのでは、ブラインドアウトしてしまいます。
ハンドレンジを広げ、アグレッシブにプレイしましょう。
4.相手によってもハンドレンジを調整する
ルーズな相手には多くのハンドをプレイできますが、タイトな相手がオープンレイズした場合はレイトポジションでも慎重にハンドを選んでください。
また、ボトムペアでもフォールドしない相手というのも存在します。
各プレイヤーの特徴は、あなたがポットに参加していないハンドでも常に観察しておきましょう。
5.3ハンド以上の勝負はなるべく避ける
対戦相手が一人なら勝つ見込みも高いですが、3ハンド以上になると良いハンドでも勝率は下がります。
AKハンドでも、対戦相手もA絡みのハンドをプレイする人たちであれば、皆がAを持ち、ボードにAが現われる可能性はかなり低くなります。
その時に重要なのは、2枚目のカードです。
そのため、3人のアクティブプレイヤーが参加するハンドは、よっぽど大きなスタックを持っている時でない限り避けた方が良いでしょう。