ポーカー トーナメント 戦略 2025 総まとめ

このページでは、ポーカー トーナメント 戦略について詳しく解説しています。

ポーカーのMTT(マルチテーブルトーナメント)で優勝することを目標にしているプレーヤーも少なくないでしょう。大きなトーナメントになるほど賞金も高く、トーナメントの入賞率により稼げる額も変わってきます。

しかし、エントリー数の多いトーナメントで上位に入賞するのは容易ではありません。さまざまな戦略について知っておくことで、より巧みにトーナメントに挑めるでしょう。

ポーカー トーナメント 戦略

まず、段階別にポーカー トーナメントの戦略について、以下に分かり易くまとめています。

1.ポーカー トーナメント 戦略 序盤

大きなトーナメントほど、序盤は慎重にプレイすべきとされています。テーブルに9人のプレイヤーがいれば、その中には3人や6人のテーブルより良いハンドを持ったプレイヤーが必然的に増えます。

そのため、ポジションを考慮し、プレイするハンドレンジを慎重に選んでください。フリーロールでは頻繁に、序盤でオールインしてスタックを増やし、その後有利にゲームをプレイしようとする戦略を取る人もいます。

しかしこれは、バイインを支払っていないトーナメントだからできること。実際のトーナメントでは、無謀なプレイ方法です。

賞金額にとらわれ、消極的なプレイになり過ぎるのも良くありませんが、プレイしようか迷うハンドではフォールドするようにしましょう。反対に、良いハンドでは自信をもってプレイしてください。

また、トーナメント序盤では、同卓の各プレイヤーたちがどのようなハンドをプレイし、どのようなベットサイジングをしているのか、プレイスタイルの特徴などを観察しておきましょう。

2.中盤でのポーカー トーナメント戦略

トーナメント中盤に入ると、スタックを増やしたプレイヤーとショートスタックになったプレイヤーたちが入り混じった状態になります。そのため、ショートスタックのプレイヤーはダブルアップしようとオールイン攻撃に出ることが多くなります。

その際の対処の仕方は人それぞれで、正しい答えはありません。ショートスタックによるオールイン戦略のハンドは、必ずしも良いハンドとは限りません。

そのため、ディープスタックを持っているならオールインコールしても良いですし、リスクを負わずに堅実にプレイするならこういったプレイヤーの挑発は避けるのも良いでしょう。

実際、ショートスタックがここでスタックを増やすことも多いため、リスクを負わない選択をしているプレイヤーが多いと言えます。

バブル段階での戦い方

バブル段階での戦い方

バブルはITM(インマネ)できるかどうかが懸かっているため、ショートスタックのプレイヤーはさらに慎重になります。ショートスタックはバブルが決まるまで他のプレイヤーとの対戦を避け、とりあえずインマネしようとフォールドが続きます。

ここでディープスタックのプレイヤーは、ショートスタックを相手にオールイン戦略を仕掛けることが多くなります。バブルが確定すると、ショートスタックは再度ダブルアップを図りオールイン戦略が使われます。

3.終盤でのポーカー トーナメント 戦略

トーナメント終盤まで残っているプレイヤーは、相手のハンドレンジを読むのに長けたプレイヤーばかりです。そのため、ブラフが行われる頻度は少なくなります。

所持チップは多くなっているものの、そのぶんブラインドも高くなっているため、一つのミスが多くのチップを失うことになりかねません。この頃になるとアンティも導入されているため、ショートスタックは良いハンドが来るのを待っているだけでスタックを失っていきます。

したがって、ショートスタックがプレイするハンドレンジは広くなります。ショートスタックだけでなくディープスタックにも同じことが言え、スタックが減る前に対処する必要があります。

ヘッズアップでの戦い方

ヘッズアップでの戦い方

優勝するために避けて通れないのが、ヘッズアップです。最終的にプレイヤーは二人となり、どちらかが優勝します。

ファイナルテーブルの9人(少ない場合もありますが)から人数が減る毎に、戦略を変える必要があります。人数が少なくなるほどプレイするハンドレンジは広がるため、9ハンド テキサスホールデムでの「Jハイ」ハンドは自信の持てるハンドではありませんが、ヘッズアップでの価値は上がるのです。

ヘッズアップでの勝利ハンドのほとんどがペア、そしてハイカードである事実を知れば、ペアが重要なカギとなります。「T-8」でレイズし、フロップが「5-6-T」であれば、オールインするプレイヤーがほとんどでしょう。

そのため、ストレートやフラッシュといったを狙ってプレイすることはなく、高ランクのカードおよびペアが勝利へ導くことになります。

習熟度別 ポーカー トーナメント 戦略

ポーカートーナメント戦略

習熟度別のポーカー トーナメントの戦略については、以下を参照にして下さい。

ディープラン(長くトーナメントに残る)のための戦略を初心者から上級者に分けて取り上げています。

初心者向け ポーカー トーナメント戦略

初心者がポーカー トーナメント戦略として、最初にマスターすべきポイントを以下に挙げています。初心者は低バイインのポーカートーナメントやフリーロールから始め、徐々に様々なトーナメント戦略を学んでいきましょう。

1.ポジションに応じたスターティングハンドの選択

1.ポジションに応じたスターティングハンドの選択

ポジションはポーカーの基本中の基本。アーリーポジションほど、自分の後に何人がどのようなアクションを取るかは分かりません。レイズされてもコールできるハンドでプレイしましょう。

特に、コネクターやスーテッドは、フロップで相手がペア以上の役がある場合、ドローハンドで相手にコールしなければならない状況に陥りがち。これらのハンドは、それに耐えられるスタックを持っている時にプレイする方が賢明です。

また、アーリーポジションからオープンレイズする際は、自信を持ってプレイしてください。ミンレイズやコールでは、その後に多くのプレイヤーにコールされて勝率が下がることになります。

また、ブラインドスティールなど、レイトポジションのアドバンテージを利用した戦略も学びましょう。

2.リンプとチェックは戦略的に

2.リンプとチェックは戦略的に

リンプやチェックを多用しているうちは初心者です。これらのアクションは戦略的に使い、そうでなければフォールドした方がチップを無駄にしません。

上手いプレイヤーがリンプする際は、「A-Aを持っている?」と周りも警戒します。時にはそれを利用してリンプレイズしたり、ポストフロップでレイズするブラフも、意外と成功率の高い戦略です。

ただし、相手のハンドレンジを見据え、トップペア以上を持っていないことを確信してから行いましょう。

3.スタックサイズを考慮する

3.スタックサイズを考慮する

ポーカーにおけるスタックサイズの優位性も理解しておきましょう。

スタックが大きいほど大胆なブラフが可能になり、相手にプレッシャーをかけることができます。

トーナメントでショートスタックになると、オールイン戦略のほかにあまりできることはありません。

また、そうならないよう、ショートスタックになる前に何らかの手を打つ必要があります。

4.賢いバリューベット(ベットサイジング)

4.賢いバリューベット(ベットサイジング)

良いハンドを持っているときは、ポットを膨らますために相手がコールするであろうぎりぎりの額をベットしましょう。レイズが小さすぎたり大きすぎたりすると、儲け損ねることになります。

また、ブラフをする際は大胆さが必要です。しかしあまりに大げさ過ぎると、フォールドさせたがっているのが浮き彫りになります。

なお、ポットを膨らますためのバリューベットは、自分のハンドが相手のハンドより強いと思われる状況でのみ有効です。

中級者向け ポーカー トーナメント 戦略

中級者のためのポーカー トーナメント戦略は、以下のスキルをマスターして上手に使うことです。

1.攻撃性を保つ

1.攻撃性を保つ

タイトパッシブなプレイ方法では、トーナメントで勝ち抜くことは非常に難しいでしょう。リレイズを行うプレイヤーも多くいます。

長時間に及ぶトーナメントにおいてチップを増やすには、多かれ少なかれブラフが必要です。トーナメントが進むにつれ、勝ち残っているほとんどのプレイヤーは攻撃性を保っています。

しかし、アグレッシブにプレイしながらも、ターンやリバーで相手のハンドが発展したと感じた時には、躊躇せずフォールドする潔さも持っています。

2.ハンドレンジを読む

2.ハンドレンジを読む

あるハンドでショーダウンに進んだときは、そのプレイヤーがどんなハンドでどのようなベットをしながらプレイしていたのかを観察しておきましょう。

A絡みのハンドでこのくらいのベット、K絡みのハンドでこのくらい、フロップでトップペアになるとこのくらいのベットをしていた、など、後々自分と対戦する際に役に立ちます。

コネクターやスーテッドをプレイするのが好きなプレイヤーもいます。ブラインドから中ランク以上のハンドを、2BBにはコールするけれど3BBにはフォールドする、といった特徴もだんだんと見えてきます。

これらの情報を集めると、相手のハンドレンジがかなり絞り込めるでしょう。

3.弱点をつく

3.弱点をつく

中級者以上になると、リンプやチェック、1BBのベットといった弱さを見せるアクションを見逃しません。そこに付け込み、レイズします。

フロップでペアとなる確率は32.43%なので、ハイカードのままの可能性が高いのです。それを見込んで、Aを持っている場合はベットしてもコールしてくるプレイヤーも少なくありません。

しかし、相手も中級者以上であれば、リンプやチェック、1BBといったベットは戦略かドローハンドの可能性もあります。そこで、それまでに集めた相手の情報から自分と相手のハンドを比較し、どちらが勝っているかを見定めなければなりません。

ガットショットといったドローハンドであれば、レイズすれば確率を知る相手ならフォールドすることでしょう。

4.感情のコントロール

4.感情のコントロール

バッドビートは誰にでも起こります。A-A が 2-2 に負けたり、リバーで確率の低いカードを引かれたりすることも時に起こります。

そういった時、誰もがイライラしたり自棄になるものです。しかし、イライラや怒りは正しい判断を妨げます。

運の悪い負け方をした後に、相手が 2-2で勝ったのだから、と 4-4 でオールインして負ける、といった結果になることも。トーナメントではチップを失くせば敗退です。

運に任せたプレイは避け、取るアクションには理由があるべきです。運は誰にでも一度は訪れますが、継続することはありません。

バッドビートに見舞われた時ほどより冷静になり、いつものプレイを続けるように自分をコントロールしてください。

上級者向け ポーカー トーナメント 戦略

上級者向けのトーナメント戦略は以下の通りです。

1.レイズを有効に使う

1.レイズを有効に使う

ポーカー初心者がレイズを使うことは少ないですが、プレイヤーレべルが上がるほどレイズ/リレイズを頻繁に使います。良いスターティングハンドや現時点では勝っていると思うハンドでは、コールではなくレイズしましょう。

例えば、フロップであなたのハンドがトップペアになった状況で、相手がベットした場合、コールではなくレイズすることをお勧めします。コールしてターンに進んだ場合、相手のハンドが発展する可能性もあります。

ターンで相手のハンドが発展しなくても、こちらがベットをすれば相手もトップペアでない限りフォールドするでしょう。どちらにせよフォールドする相手なら、ターンでハンドが発展する可能性を与えない方が賢明です。

2.プレイヤースタイルに応じてプレイする

2.プレイヤースタイルに応じてプレイする

様々なプレイスタイルが存在し、良いハンドをアグレッシブにプレイする人や、幅広いハンドレンジをアグレッシブにプレイする人もいます。ポーカー上級者なら誰もが攻撃性を呈していますが、一際ルースアグレッシブな相手には主導権を握らせる方が良いことも少なくありません。

良いハンドを持っている時に相手にベットさせ、コールで追いかけるのが正解と言えるでしょう。反対に初心者やドローハンドを多くプレイする相手には、ボードのカードから可能性を考えながら強気にプレイしましょう。

3.消極的にならない

3.消極的にならない

時に、支払ったバイイン額や賞金額を考えると、いつもより消極的になってしまうことがあります。また、トーナメントが進みレベルが徐々に上がってくると、ブラインド額も高額になります。

$1/$2での$2も、$100/$200の$200も、そして$1,000/$2,000の$2,000も同じ1BBです。スタックはBBで捉えると額面に左右されずにプレイできます。

4.ブラフをキャッチする

4.ブラフをキャッチする

ポーカー上級者になると、ブラフだけでなく相手のブラフをキャッチするスキルも習得しているはず。プリフロップからの相手のベットの仕方に矛盾がないか、どのような意図でその額をベットしているかを考えた結果、ブラフだと見抜けることもあるはずです。

また、ライブポーカートーナメントなら、相手のしぐさや癖による「テル」でハンドを読むスキルや、オンライントーナメントでも相手のアクションまでにかかる時間などが判断に役立ちます。

5.レイトレジストレーションを利用する

5.レイトレジストレーションを利用する

ポーカープレイヤーの中には、トーナメントにレイトレジストレーションで参加するプレイヤーも少なくありません。途中から参加することで、長いトーナメントの序盤をすっ飛ばすことができます。

大きなスタックの相手には良いハンドで挑み、少ないスタックの相手にはプレッシャーをかけることですぐに平均スタックを上回ることも珍しくありません。

レイトレジストレーションで成功するには、相手のハンドレンジを読み、相手に応じたプレイができ、アグレッシブで相手の弱点を上手く利用できれば、それほど難しいことではありません。

ポーカートーナメント 戦略で覚えておくべきポイント

ポーカーのトーナメント 戦略で覚えておくべきポイントについては以下を参照して下さい。

1.スロープレイは控える

例えA-Aでも、ボートのテクスチャによってはスロープレイは避けた方が無難です。A-Aでも無敵ハンドではなく、A-Aが負けるのを何度も目にしてきた方も多いはず。

特に3ハンド以上の場合、ナッツではない限りスロープレイは避けましょう。

2.確率に逆らわない

時に運に見舞われることもありますが、確率は嘘をつきません。確率が30%であれば、10回に3回は運よく勝てても、7回は負けるのです。

EV(期待値)を考慮しながら、プレイするようにしましょう。毎回運を祈りながらプレイするのではなく、コールする価値があるかを判断しましょう。

3.ドロープレイのリスクを知っておく

ドローハンドは投資する必要のあるハンドです。投資した結果、失敗に終わることもあります。

コネクターやスーテッドは自分のスタックを考慮したうえ、十分な資金がある時にプレイするようにしましょう。

4.ギャンブルプレイは慎重に

一か八かのギャンブルプレイは、マルチテーブルトーナメントでは避けましょう。特に、平均スタックを持っている時に5-5でプリフロップのオールインにコールし、負ければトーナメント敗退、といったシチュエーションでのギャンブルはおすすめしません。

ショートスタックなら後がないので決断の時ですが、ここでフォールドしても後のハンドで稼ぐチャンスは訪れる、と自分に言い聞かせてください。

5.フォールドする潔さを保つ

A-AやK-K、フラッシュ以上のハンドは誰にとってもフォールドし難いものです。具体例として、2BBにレイズした相手に対し、J-Qで3BBにレイズし、相手がコール。

相手も同等のスタックを持っており、その時点でのトーナメント順位は共に上位30位です。フロップで「J-J-K」となり、勝つ見込みが大きくなったところ、相手が1BBをベットしたので、2BBにレイズすると、相手はコール。

相手のハンドはA-Kあたりともくろんで、ターンでAが現われ、相手の1BBベットに対し再度2BBにレイズすると、相手はコール。しかしリバーでKが現われ、「J-J-K-A-K」に。すると相手はオールイン。

このような場合、ブラフの可能性も推測できますが、最初に相手のハンドレンジを推測した際、相手はK絡みのハンドを持っていることも予測できるでしょう。

その読みに従い、「良いハンドでフォールドできるのもスキルのうち」と呼んで、フォールド。相手が特定のカードを持っているかもしれない、予感がする時、持っていないことを祈りながらコールするのは微妙でしょう。

ポーカー トーナメント 戦略としてのスタック管理

ポーカートーナメント スタック管理の仕方

ポーカートーナメント 戦略として、スタック管理も肝心です。スタック管理では、M値を考慮する必要があります。

M値とは、ブラインドアウト(ブラインドでスタックがなくなる)までにどれだけ持ちこたえられるかを示します。

M値の計算方法

自分のスタック ÷(SB額+BB額+アンティ額 × 人数)

感覚的に素早く理解するには、6人テーブルなら自分のスタックをBB額で割った値の10分の1を目安に、9人テーブルなら自分のスタックをBB額で割った値の10分の1より数回少ないと覚えておきましょう。

また、スタックをBB表示できるポーカーサイトも多くあるので、切り替えるとM値が感覚的に分かりやすくなります。M値が20(20周でブラインドアウトする)以下になると、スタックが十分ではなく、中ランクのコネクターやスーテッドをプレイするのはリスクが伴います。

しかし、良いハンドを待っていたのではスタックはどんどん減少するため、ギャンブル的なアクションをせざるを得ない状況になります。

そうなった時には、以下の戦略も立てられるでしょう。:

  • 状況をみて弱点を見せたプレイヤーを攻撃する
  • ブラインドスティールを試みる
  • 勝率が高めのハンドでオールイン攻撃する

M値が下がるほどオールインかフォールドかの選択肢に絞られてくるため、常に20以下にならないように意識しながらプレイをしなければなりません。また、トーナメントによってはスターティングスタックが15BB前後のものも。

こういったトーナメントではハンドレンジを広げ、出だしから積極的にプレイしましょう。

FAQ

ポーカー トーナメント 戦略で序盤に役立つのは何ですか?

ポーカー トーナメントの定石はどんなものですか?

ポーカー トーナメント 中盤の戦略はどんなものですか?

ポーカー トーナメントのルールは何ですか?

1990年広島生まれ。ポーカーエキスパート。 2013年よりマルタ在住。大手海外ギャンブル企業勤務を経て、フリーエディターとして活動。10年超にわたる業界経験と専門的な知見をもとに、業界メディアの執筆…

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