このページでは、ポーカーのショートデッキについて解説しています。ショートデッキ ポーカーで遊びたい方は、以下を参考にして下さい。
ポーカーのショートデッキ とは
ポーカーのショートデッキは、36枚のカードでプレイするゲームで、テキサスホールデムの派生種です。標準のカード52枚から1~5のカードが除かれ、6以上のカードでプレイするため、6+ホールデムとも呼ばれます。
ショートデッキ ポーカーは、使うカード数が少ない上に、価値の低いカードが減る分、役ができやすくなり、ゲームプレイもより動態的になります。
ショートデッキは2010年頃にマカオのカジノで考案され、2015年以降、一気に普及。比較的新しいポーカーバリエーションですが、現在ではテキサスホールデム、オマハに続く、人気を博しています。
WSOPや世界一のハイローラートーナメント「トリトン」においても、ショートデッキは注目度の高いイベントとなっています。
ショートデッキ ポーカーのルール
ショートデッキポーカーのルールは、次の通りです。
- アンティ/ブラインドを置く
- 各プレーヤーに2枚のカードが配られる
- 最初の賭けラウンド(プリフロップ)
- 3枚のコミュニティカードが配られる
- 2回目の賭けラウンド(フロップ)
- 4枚目のコミュニティカードが配られる
- 3回目の賭けラウンド(ターン)
- 5枚目のコミュニティカードが配られる
- 4回目の賭けラウンド(リバー)
- ショーダウン
ショートデッキには、SB(スモールブラインド)とBB(ビッグブラインド)はありません。その代わり、プレイヤー全員がアンティを置き、ボタンのポジションのみがブラインドを置く「ボタンブラインド制」となっています。
プレイヤーはホールカードの2枚とコミュニティカード(ボード中央に開かれる共通カード)の5枚、計7枚から自由に5枚を組み合わせ、役の強さを勝負します。
ショートデッキ ゲームプレイの流れ
ショートデッキポーカーのゲームの進め方について以下に解説しています。
アンティおよびブラインドのポスト
ショートデッキのテーブルを選ぶ際には、ボタンブラインド額でステークスが表示されています。
なお、プレイヤー全員がポストする(置く)アンティはブラインド額と同額です。つまり、ボタンはアンティとブラインドの両方を置くため、他のプレイヤーの倍のチップをテーブルにポストしなければなりません。
プリフロップ
各プレイヤーに2枚ずつのホールカード(手札)が配られます。2枚のホールカードを基に、ボタンの左に座るプレイヤーから時計回りに、フォールド、コール(ブラインド額に)、レイズのアクションを行います。
最後にボタンは、フォールド、コール、レイズ、チェックの選択が可能です。ベッティングラウンドは、常にアクティブプレイヤー(ハンドに参加したプレイヤー)たちのベット額が揃うまで続きます。
フロップ
プリフロップでハンドに参加したプレイヤーたちのベット額が揃ったら、3枚のコミュニティカードが開かれ、2回目のベッティングタイムが始まります。
ハンドに参加しているプレイヤー間で、ボタンの左のプレイヤーから順にチェック、ベット、コール、レイズ、もしくはフォールドの選択を行います。
全員のベット額が揃ったら、ターンへ。
ターン
ターンでは4枚目となるカードが1枚開き、3回目のベッティングタイムが始まります。
ボタン左のプレイヤーから順に、チェック、ベット、コール、レイズ、あるいはフォールドの選択を行います。
リバー
リバーでは、5枚目となるカードが1枚開き、4回目のベッティングタイムが始まります。フロップ/ターン同様、ボタン左から順に、チェック、ベット、コール、レイズ、フォールドのアクションを行います。
なお、プレイヤー1人を残し全員がフォールドすれば、ポットはフォールドしなかったプレイヤーが獲得します。
ショーダウン
リバーでのベッティングタイム後、2人以上のプレイヤーが残っている場合、ショーダウンでより強いハンド(役)を持ったプレイヤーがポット獲得となります。
ただし、オールイン勝負ではない限り、負けたプレイヤーはカードを公開する必要はありません。(※ 設定から「マック」を選択する必要があるサイトもあります)
6人でのゲームプレイが最も一般的ですが、2~10人でも遊べます。
ショートデッキポーカーの役
ショートデッキポーカーの役は、一般的に以下のように設定されています。
- ロイヤルフラッシュ
- ストレートフラッシュ
- フォー・オブ・ア・カインド(クワッズ/4カード)
- フラッシュ
- フルハウス
- ストレート
- スリー・オブ・ア・カインド(3カード)
- ツーペア
- ペア(1ペア)
- ハイカード
カード枚数の少ないショートデッキでは役ができる確率が異なり、役の強さはテキサスホールデムと異なります。フルハウスよりフラッシュの方が強い役であることを覚えておきましょう。
また、「A-6-7-8-9」もストレートとなります。しかしこのストレートは最も弱いストレートとなり、最も強いストレートは従来の「T-J-Q-K-A」です。
なお、ハウスによってはストレートとスリー・オブ・ア・カインドの役の強さが入れ替わっているルールもあります。トリトンポーカーシリーズでも、2020年以前はスリー・オブ・ア・カインドがストレートより強いハンドでした。
当時はオンラインポーカーでも、ショートデッキのスリー・オブ・ア・カインドとストレートのハンドランキングはポーカーサイトによって異なっていました。
現在では、ストレートがスリー・オブ・ア・カインドより強い規定が標準化されつつあります。ただし、ポーカールームによっては、スリー・オブ・ア・カインドの方が強いルールが採用されていることもあります。
ショートデッキのスターティングハンドの勝率
ショートデッキの各スターティングハンド(ヘッズアップ)の勝率は、以下の通りです。
この勝率はプレイヤー2人と想定した者であり、相手が増えるごとに勝率も下がることを覚えておいてください。
36枚でプレイするショートデッキでは、スターティングハンドの勝率もテキサスホールデムとは異なりますが、カード枚数が少ないだけに各ハンドの勝率の差はさほど大きくありません。
また、常にスーテッドハンドの勝率は、オフスートハンドより5%ほど高くなります。これらの勝率を知っておけば、ポジションに応じて、ショートデッキでプレイするハンドレンジの基準をある程度確立するのに役立つでしょう。
ショートデッキ ポーカーの確率
ショートデッキ ポーカーの確率は以下の通りです。
スターティングハンドで勝ちやすいカードが配られる確率
プリフロップで勝ちやすいスターティングハンドが配られる確率は、次のようになります。
スターティングハンド | ショートデッキ確率 | フルデッキ確率 |
---|---|---|
ポケットペア | 8.57%(11.7回に1回) | 5.88% |
AA ペア | 0.95%(105回に1回) | 0.45% |
スーテッドハンド | 22.86%(4.4回に1回) | 23.53% |
コネクターハンド | 20.32%(5回に1回) | 17.3% |
スーテッドコネクター | 5.08%(20回に1回) | 3.92% |
6+ホールデムでAAが配られる確率は、テキサスホールデムと比較するとほぼ2倍の確率。その一方で、スーテッドハンドが配られる確率は、意外にもテキサスホールデムの確率とそれほど変わりません。
フラッシュがフルハウスより強い役であることが、このことからも分かります。
フロップで役ができる確率
ショートデッキポーカーのフロップで役ができる確率は、以下のようになります。
フロップでの完成役 | ショートデッキ確率 | フルデッキ確率 |
---|---|---|
ロイヤルフラッシュ | 0.0012% | 0.000154% |
ストレートフラッシュ | 0.012% | 0.00139% |
フォーオブアカインド | 0.17% | 0.024% |
フラッシュ | 1.8% | 0.19% |
フルハウス | 0.9% | 0.14% |
ストレート | 4.5% | 0.39% |
スリーオブアカインド(セット&トリップス) | 12% | 2.11% |
ツーペア | 16% | 4.75% |
ワンペア | 29% | 32.43% |
ハイカード | 33% | 50.11% |
リバーまでに役ができる確率
ショートデッキ ポーカーでリバーまでに役が完成する確率を以下に示しています。
リバーまでの完成役 | ショートデッキ確率 | フルデッキ確率 |
---|---|---|
ロイヤルフラッシュ | 0.025% | 0.00323% |
ストレートフラッシュ | 0.17% | 0.0278% |
フォーオブアカインド | 2.55% | 0.168% |
フラッシュ | 5.5% | 3.025% |
フルハウス | 6.2% | 2.60% |
ストレート | 19.5% | 4.62% |
スリーオブアカインド | 13.1% | 4.83% |
ツーペア | 23.3% | 23.50% |
ワンペア | 36.7% | 48.74% |
ハイカード | 7% | 17.41% |
上記の確率を見ると、ストレートの方がスリーオブアカインドより完成確率は高いのに、なぜストレートの方がハンドランキングで強いのかという疑問が生じます。
これが、ショートデッキの人気が高まってきた時の問題であり、トリトントーナメントでも議論を呼びました。その当時はスリーオブアカインドの方がストレートより強いとするハウスも多くありましたが、現在は「ストレート>スリーオブアカインド」の方が一般的です。
スリーカードは3枚で構成される役ですが、ストレートは5枚で構成される役です。そのため、役の完成確率は相対的な強さとは異なり、役を完成する制約の多いストレートの方が強い役、と認識されているようです。
アウツを引ける確率
デッキの枚数が少ないショートデッキでは、フルデッキよりもストレートドローはより完成しやすく、フラッシュドローは完成しにくくなります。
下記の表は、フロップでアウツが何枚あるかによって、リバーまでにそのアウツを引く確率を示しています。
フロップ時のアウツの数 | リバーまでに引く確率 | ターンで引けずリバーで引く確率 |
---|---|---|
1 | 6.5% | 3.3% |
2 | 12.7% | 6.7% |
3 | 18.7% | 10% |
4 | 24.5% | 13.3% |
5 | 30.1% | 16.7% |
6 | 35.5% | 20% |
7 | 40.6% | 23.3% |
8 | 45.6% | 26.7% |
9 | 50.3% | 30% |
10 | 54.8% | 33.3% |
11 | 59.1% | 36.7% |
12 | 63.2% | 40% |
13 | 67.1% | 43.3% |
14 | 70.8% | 46.7% |
15 | 74.2% | 50% |
ショートデッキ ポーカーの戦略
ショートデッキ ポーカーの戦略・プレイのコツについて、以下にポイントをまとめています。
1.ペアの価値がフルデッキより劣る
テキサスホールデムでは割と強いと認識されているジャックや10のペアは、ショートデッキではそれほど自信の持てるハンドではありません。相手が二人以上となれば、負ける可能性は高くなります。
さらに、低いランクのポケットペアはボードにオーバーカードが現れやすく、トラブルのもと。ポケットペアがセットになる確率は低いのです。低ランクのポケットペアは、フロップでセットとならなかった場合(ボードにもよりますが)、早めにフォールドした方がリスクはありません。
2.AKoはKTs、A9sより弱い
ショートデッキでは、スターティングハンドの勝率を再確認してみてください。AKoの勝率55%に対し、AJs、KJs、QJs、ATs、KTs、A9s などはそれよりも高い勝率を持っています。
これは、ストレートが完成するアウツが多いのと、フラッシュの可能性もあるからです。これらを踏まえ、プレイするスターティングハンドを吟味しましょう。
3.ストレートが狙いやすい
ショートデッキでは、ストレートドローとなる頻度がフルデッキよりもかなり高め。加えて、ストレートドローが完成する確率も高いため、ドローの強さを認識しましょう。
確かに、ストレートドローを完成するにはターンやリバーまで進まなければならないことがほとんどですが、フルデッキより期待の持てます。
4.ミドルコネクターは勝ちやすいハンド
「9-T」や「T-J」といったミドルコネクターのハンドは、テキサスホールデムのプレイ時よりもずっと勝ちやすいハンドです。これらのスターティングハンドは、5回に1回の確率でオープンエンドストレートドローとなります。
これらのハンドは、積極的にプレイすると良いでしょう。
5.フラッシュドローは慎重に
ショートデッキではフラッシュのハンドランキングが高いように、フラッシュドローのアウツが少ないのは明らかです。フロップでフラッシュドローとなった場合でも、リバーまでにヒットする確率は30%しかありません。
相手のベット額によって、早めにフォールドすることも考えましょう。
6.プリフロップではしっかりレイズ
ショートデッキは全員がアンティを払うため、ゲームへの参加率が高くなります。勝率の高いハンドが配られた時はプリフロップでしっかりレイズし、中ランクのハンドを持つプレイヤーにコールされないようにするのがコツ。
相手が少ないほどスターティングハンドの価値は上がり、多いほど価値が下がることを忘れないでください。
7.スロープレイを控える
ショートデッキは、ストリートごとにエクイティの逆転が起こりやすいゲームです。そのため、ナッツでない限り、スロープレイは避けた方が無難。
チェックや小さなベットでスロープレイしていると、相手のハンドが強いハンドへと発展する可能性を与えることになります。良いハンドでは積極的にベットし、ドローハンドではポットコントロールするよう努めましょう。